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メディアでも話題となり、企業側も問題意識を持っている「退職代行」サービス。本イベントは「退職代行に怯えない組織になるため」と題し、退職代行ビジネスの現状と人材定着の施策について探りました。本記事では、サブスクやリピート割なども登場している退職代行サービスの現状に迫ります。 サブスクやリピート割まで?SNSでも話題の退職代行サービス 新保博文氏(以下、新保):話を戻して、退職代行の会社はビジネスなのでたくさん使ってほしいですよね。たくさん使うための仕組みとして、「もう1回使った場合はリピート割ですよ。半額ですよ」みたいなリピート割があったり、辞め放題みたいなサブスクがあったり。松島一浩氏(以下、松島):意味がわかんない(笑)。(一同笑)新保:あとはセルフ退職支援ですね。「代行じゃないけど支援しよう」みた???なものがあったりします。これがマーケティングでどんどん助長されているというのが、今の現状です。マーケティングを使うとはどういうことかというと、心理学を使うんですね。いっぱいあるんですが、1つご紹介すると「バンドワゴン効果」。行列があると「自分も」と思う効果ですね。なので、「毎日これだけ(退職者が)いますよ」「(1日あたりの退職代行実績が)62人」というと、「え、これを使っていいのかな」「こんなに使っているんだったらぜんぜんありだよね」と思って使っちゃうという状況です。これは今は切り取っているんですが、若い人がどういう景色を見ているのかは、SNSの世界って一人ひとりが見ている景色がアルゴリズムで分かれているので違うんです。ただ、モヤモヤしているな、悩んでいるなという人は、投稿でたまたま「ブラック企業の特徴○選」みたいなことを投稿している文に、ノウハウが抽象的に10個書いてあれば、2、3個は「うちの会社もそうかも」と思う。そうこうしている間に、いろいろ見ていたら今度はアルゴリズムで退職代行がおすすめに出てきます。「じゃあ、この(退職代行会社の)アカウントって何?」ということで見てみると、「弁護士と労組で(退職成功率)100パーセント」みたいなことが書いてあって、安心だなと思ってクリックするとLINEにつながります。 転職を目的とした離職は増加している 新保:ここのLINEというのがポイントで、LINEから始まって「どうしましたか? お悩みですか?」「辞めるのを検討しています」「それだったらすぐに連絡できますよ」と言われる。普通は退職だったら踏みとどまる瞬間っていっぱいあると思うんですが、上司に言う手前で「ちょっと言えなかった。でも、先輩と話したり、たまたま飲みに行ったらスッキリしました」みたいな機会が失われる。なぜなら退職代行会社はビジネスで、「退職してもらう」ということが課金ポイントになっているので、そこに障害がないようにスムーズに迅速にやりましょうとなりますよね。裏側を見ていないのであくまで推測でしかないですが、ビジネスをやっている以上、例えばノルマや営業目標みたいなものが出てくるので、当然そういった数字を追いかける人たちがいる。つまり我々からすると、退職を助長する人たちがたくさん世の中に増えているという構図かなと思っています。次が、退職の傾向や退職代行に至る構造のところです。ちょっと(時間が)押してきてしまったので、データをパパッと言っていきますが、実は新卒の早期の離職は増えていないと言われています。ただ一方で、大手企業の早期離職は局所的には増えていることと、新卒ではなくて転職を目的とした離職が増えている。離職(目的)は、介護の事情や家の事情とかいろいろあるんですが、転職目的というのは、要は中途採用や経験者採用のところで、ここは増えていると言われています。さらにいっぱいグラフがあるんですが、潜在層というのは、若い人でいうと6割ぐらいは転職を考えている状況です。じゃあ、その若い人たちの心境ってどうなんだろう? Z世代ってどうなんだろう? ということで本を読みまくりました。おすすめはこの3冊なので、ご関心のある方はあとで見てみてください。 離職の理由は「不満」ではなく「不安」 新保:特徴をパパッと2つ言うと、1つ目が「大学のテーマパーク化」という言葉で表せているように、不快なものがないことです。少子化なので大事に大事にされて、例えば先生も、語学の授業で発音がおかしいけど注意ができないという、そんな世界観。もう1つ、「不安」というものがものすごくキーワードになっていて、離職の理由が「不満」じゃなくて「不安」になっている。「ゆるブラック」という言葉が流行りましたが、「このままいったら成長できないよね」という思いがあったりとか。あとは「新卒採用の時にも成長できる会社。だからコンサルファームがいいんだ」みたいな考え方になっています。これはデータがあるんですが、ゆるい人ほど早く辞めたいというデータになっています。なので、退職のパターンは「不満」。つらい、きつい職場は昔からあります。不安や、ゆるすぎて成長しないよねというところ。3つ目はリアリティ・ショック。早期の離職ですね。特に今はすごく丁寧に採用されているので、「あれ? 違ったな」「思っていたことと違う」みたいなことが起きているかなと思っています。 先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」...
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社会的インパクトの最前線に触れ、参加者との共創を生み出すことを目指すイベント「IMPACT STARTUP SUMMIT 2024 」が初開催されました。本セッションは「次世代人材育成とインパクトスタートアップ」と題し、次世代人材育成におけるインパクトの視点の重要性や、インパクトスタートアップが共創する社会について議論が行われました。本記事では、日本的な「リーダーシップ」のあり方について語ります。 「リーダー」の要素は文化によって大きく異なる 水野雄介氏(以下、水野):じゃあ、今度はちょっと深井くんに聞いていいですか? やはり僕は教育が好きなので、インパクトスタートアップのリーダーがどう生まれてくるかも聞きたいし、なんで生まれてくるのか、どう潮流が生まれてくるのかとか、あとはリーダーを生み出し続ける人にも興味があって。わかりやすく言うと(吉田)松陰先生なんですが、松陰先生のところのあんな小さい松下村塾で総理大臣が何人も生まれるって、普通に考えてないじゃないですか。だから、リーダーを生む人はどんな人なのかとか、そういうところも含めていろいろ教えてほしいなと思います。深井龍之介氏(以下、深井):いやぁ、どこまでちゃんとしゃべるかでムズいなっていう感じです(笑)。水野:自由にしゃべってもらっていいです(笑)。深井:まず、リーダーが何かっていうのは、文化とか自分がいる組織や人によって、実はかなり違うんですよ。いったんリーダーを「人を引っ張ることができる人間」だと定義した場合に、そもそも人の引っ張り方って文化によってけっこう違うんですよね。例えばアメリカの大統領のようなリーダーって日本からも出てこないし、出てきても人を引っ張れないんですよ。逆もそうで、日本の総理大臣みたいな人がアメリカで何をやったって人を引っ張れない。これは文化差なんだよね。引っ張られる人と引っ張る人がどういう認識の世界で生きているかによって、実はそこがめっちゃ影響されています。それとは別にマネジメントというものがあって、マネジメントは半分以上技術なわけですよね。リーダーシップって、たぶんあんまり技術じゃないんじゃないかなと思っていて。水野:なるほどね。 「欧米の真似をする時代」は終わりに近づいている 深井:まず、文化によってリーダーってぜんぜん違う。僕が歴史をすごく勉強して感じているのは、我々はそろそろ欧米の真似をする時代が終わっている感覚があるんですよ。資本主義にしろ、スタートアップにしろ、リーダー像にしろ、もう今は自分たちで編み出したほうがいい。実際、日本はどうだったのかを振り返ってみたら、実績を見て科学的思考をしたら絶対にすぐにわかると思うんだけど、日本で成功している人たちは欧米型のリーダーじゃない。インドで寿司屋をやっても成功するのかもしれないですが、インドで寿司屋をやるのと日本で寿司屋をやるのって、同じ技術を持っていたとしてもいろんな意味で違うじゃないですか。だから、郷に入れば郷???従わないといけないわけですよね。さっきのポスト資本主義の話に戻るんだけど、そもそもアメリカの資本主義と日本の資本主義って、僕から見ると同一ではない。イギリスもそう。ものすごく文化に引っ張られている。アントレプレナーもそうで、まったく一緒じゃない。ぜんぜん違う(笑)。なので我々は、自分たちの文化に対する深い理解の下に新しくリーダー像を作らないと、今生じている社会問題には欧米型のリーダー像の人たちが越えられない問題が出ているわけですよ。僕はインパクトスタートアップにすごく期待しているし、自分自身もそれをやりたいと思っている。それは、自分たちの文化をメタで理解した状態で、戦略的に新しいリーダー像を作っていくことをやったほうがいいと思っていて。 COTEN深井氏が語る「最もパフォーマンスを出したリーダー」の特徴 深井:それでいくと日本のリーダーって、いわゆる僕たちが「リーダー」って呼んだ時のリーダーじゃないんですよね。水野:おもしろい。深井:(これからのリーダー像は)嵐の大野(智)君みたいな感じだと思います。水野:ほぅ。深井:ちなみに僕もぜんぜん詳しくないです(笑)。(会場笑)水野:えっ、嵐に詳しくないのに言ったの(笑)?深井:でもなんかさ、あの人リーダーっぽくないじゃん。水野:大野君?深井:うん、大野君。水野:大野君っぽいって、どういう意味で言ったの?深井:要は、言葉がうまくなくてもいいし、ガッて引っ張ってなくてもいいわけ。結果的に環境を整えて、それぞれの内発的動機で動ける環境を用意するのが、我々の文化圏における最もパフォーマンスを出したリーダーなんですよ。僕が今まで観測した結果は。水野:なるほど。深井:なので、日本人の動かし方ってトップダウンじゃないんだよね。最近そこを考えているっていう感じですかね。結論が出ていないので、シェアするかどうかはちょっと迷った。水野:パネルディスカッションなのでいいじゃないですか。すごい。...
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本の学びを深めるオンライン講座「flier book camp」を運営する株式会社フライヤーが主催したイベントに、株式会社TALENT代表として才能研究を軸に活動し、Podcast『TALENT TALK』でも活躍中の佐野貴氏が登壇。診断ツールの結果に一貫性を出すための工夫や、メンテナンス型リーダーシップの重要性などを語りました。 前回の記事はこちら 逆境が才能を見つけるきっかけになる 久保彩氏(以下、久保):ややこしいことを言うかもしれませんが、逆に、(才能を)発揮できていない経験があるからこそ、良い環境に移った時に自分の才能に気づくこともありますよね?私も過去にブランクがあった時期があって、何でこんなにモヤモヤするんだろうと思っていたのですが、「私は人と一緒に働くのが好きなんだ」と気づいたんです。その時に「ああ、あれが苦しかったのはこういう理由だったんだ」と振り返ることで分かったように、逆境がないと、良い状態に気づきにくいのかなとも思ったりします。佐野貴氏(以下、佐野):まさにそうですね。逆境があるほうが才能を見つけやすいことは間違いありません。久保:あぁ、やっぱりそうなんですね。佐野:はい、先ほども触れましたが、30歳くらいや、社会人5年目から10年目の自己分析の少ない時期でも、経験を重ねることで才能に気づきやすくなります。例えば、学生時代は楽しかったのに社会人になって辛く感じたり、1社目は楽しかったのに2社目で辛く、また3社目で楽しいと感じたりすると、その違いから気づきやすいものです。経験が増えるほど、久保さんのおっしゃる通り、こういった問いかけに対しての気づきも増しますね。久保:でも、そう考えると長い目で見れば、辛い経験や逆境と感じる場面も、数年後には才能を見つけるきっかけになるかもしれませんね。そう思うと、少しポジティブに向き合えるようになるかもしれません。佐野:そうですね。人生経験には無駄がないと思います。自己分析のデータが蓄積されていくんですよね。僕は、自分の人生には自分の中にしか答えがないと思っていて。他人からのアドバイスも勉強になりますが、成功体験や失敗体験を見つめ直して「どういう人生を楽しみたいか」「どうい???自分が一番自分らしく才能を発揮できるか」を見つけていくことが大切だと思います。苦労をした人ほど、才能を見つけることに大きな価値があると思います。 才能と得意の違い 久保:それでは、質問にもお答えしていきたいと思います。佐野:はい、そうしましょう。久保:まず、「得意はイメージできるが、才能は『何だろう?』と思っています」という質問がありました。先ほど、才能=得意という話もありましたが、あえて才能と得意を分けるとどう違うのでしょうか?佐野:そうですね、質問された方は「得意なスキル」についてイメージされているのかもしれません。例えばエンジニアのスキルや、デザインが得意だというのも得意なことではありますが、才能は「ついついやってしまうこと」や「自然に出てくる思考や行動」に焦点を当てる点が違います。エンジニア力やデザイン力、プレゼン力といったスキルも才能の一部になり得ますが、ついついやってしまうことかどうかを基準にして「ついついプレゼンしてしまう」と思えば、それも才能として考えてもらって大丈夫です。久保:少し具体的な例として、たかちんさんが講座内で最後に作成する「トリセツ」を見せていただけますか?その才能の部分をちょっと眺めたいのですが、「根幹を考える」と書かれているんですね。佐野:僕の才能の一番上にあるのは「根幹を考える」ですね。それから「アイデアを出す」とか「相談する」といった項目もあります。「相談するのが才能なんですか」とよく聞かれますが、僕はこれがすごく自分の才能だと自覚しています。久保:うん(笑)。おもしろいですね。佐野:僕はつまずくとすぐに、得意な人に相談します。3人ぐらいにチャットで「相談にのってもらえない?」と必ず言うんです。それをすると一気に前に進みます。ネクストアクションを決めて、アイデアを実行し、仲間を集めるところまで持っていく。これが僕にとって成果を出すための重要な行動習慣であり、才能なんです。久保:なるほど、確かにわかりやすいですね。ありがとうございます。 自分の行動と思考を言語化する意義 久保:別の方からの質問で「ストレングス・ファインダーやMBTI診断のようなツールとの違いは?」というものもあります。たかちんさんの考える才能の見出し方と、これらのツールの違いについてどう思われますか?佐野:弊社でもストレングス・ファインダーを使った研修を行っています。ストレングス・ファインダーでは、34の資質が出てきて、その中で自分のトップファイブがわかります。その説明文に共感するポイントを見つけていくことで、自分の得意なことを内省していくやり方ですね。今回の「トリセツワークショップ」では、自分の人生から具体的なエピソードを掘り出し、その中で見えてくる欲求ややりたいこと、そして才能やその才能を活かす条件などを明確にしていきます。???た、どうやって成果を出すか、どのようなステップで進めると成果が出るかという部分も見つけます。例えば、僕の場合は「相談する」というプロセスが成果につながりますが、久保さんにも別の成果の出し方があると思います。久保:私も相談は得意かもしれません(笑)。佐野:そうかもしれませんね。人によっては、相談せずにまずリサーチをして進めてから、完成してから相談するという方もいます。このように、成果の出し方は人によってぜんぜん違いますね。この「トリセツ」では、自分の行動や考え方を深く掘り下げて言語化することが重要です。診断系のツールでは抽象的なワードや説明が多いので、そこからさらに深掘りする必要がありますが、「トリセツ」では最初から徹底的に掘り下げることで、非常に高い解像度で自分を見つめることができます。久保:なるほど。(講座カリキュラムのスライドが表示され)ワークが多いですね。ここで言うと、最初の深掘りはDay1やDay2の環境や条件についてですか?佐野:そうですね。最初に自分の環境や条件を見つけていただき、それから「こういうことがやりたい」という原動力を言語化していきます。次に、才能を見つけ、それをもとに発表します。グループワークもあるので、他者からのフィードバックを受けながら、自分がどう見られているのか、思っていた印象とどう違うのかに気づける場を作っています。厳しいフィードバックは基本的に禁止しています。なぜかというと、厳しいフィードバックは時に役立つこともありますが、良くない結果を招くことも多いからです。そこで、相手に対して感じたポジティブな感情を伝えてもらい、自分が伝えた意図と相手が受け取った印象とのズレを確認することで、自分らしさを言語化するワークになっています。 才能発見に向けたフィードバックのあり方...
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社会的インパクトの最前線に触れ、参加者との共創を生み出???ことを目指すイベント「IMPACT STARTUP SUMMIT 2024 」が初開催されました。本セッションでは「インパクトエコシステム」と題し、エコシステムの新たな潮流について議論します。本記事では、変わる働き手の価値観とエコシステムの形について語ります。 岸田政権が前の政権と明らかに違った3つの要素 篠田真貴子氏(以下、篠田):では木原さんにおうかがいします。ご参加のみなさまはよくご存じかと思うんですが、岸田政権のこの何年間かでは、スタートアップ、中でもインパクトスタートアップが随分フィーチャーされてきたなと思います。その背景や意図が何だったのか、あらためて解説をお願いできますでしょうか?木原誠二氏(以下、木原):はい。今日のテーマが「インパクトスタートアップが王道か?」という話だとすると、もう王道だと申し上げていいと思います。岸田政権になって、前の政権と明らかに違う要素が3つあります。今までの政権ではあんまりフォーカスされなかった言葉の1つがスタートアップ。これは岸田政権になって圧倒的にフォーカスされるようになり、5ヶ年の計画(スタートアップ育成5か年計画)を作ったということです。2つ目は、課題解決という言葉が政府の文書に入るようになりました。今までは課題先進国って言葉はずっと使われてきたんですけど、課題解決という言葉はそれほど使われていません。それが、課題解決をマーケットにするって言葉が入っています。それから3つ目は、実は官民連携という言葉が、岸田政権になってメインのストリームになっています。これは、明らかに営利と非営利の垣根をどんどん低くして、官の課題に民に入っていただく。逆に民のほうは官もしっかりサポートしていくというメッセージです。3年経って、しっかりと定着したかなと思います。みなさん、総裁選が明日から正式にスタートします。候補者のほとんどの方がスタートアップ、そしてインパクトスタートアップ、あるいはインパクト投資という言葉をそれぞれの政策の中に入れてきています。なので、この総裁選を通じても、もちろんこのことは議論されると思いますので。私はそういう意味ではもう完全に王道になっているなと。逆戻りすることはないなと感じています。 ベースフード代表・橋本舜氏の起業のきっかけ 篠田:ありがとうございます。今総裁選に出ようとされているリーダーの方々もみなさん、インパクトスタートアップってことをおっしゃっているのは安心というか、ちゃんと注目に値すると。やはりその責任が我々にあるんだなと、今うかがっていて感じました。橋本さん、岡田さんから、ちょっと投資家さんのお話は出たんですが。起業家と投資家だけでエコシステムなのかというと、もうちょっとありそうな気もするんですね。実際にここまで事業を作ってこられて、「エコシステムにこういうパーツがあったので良かったよ」とか「もっと強化したいな」というのを、橋本さんからお願いできますか? 橋本舜氏(以下、橋本):そうですね。私自身が起業した理由として、まさに前職で政府の方々や自治体の方々と自動運転を使った交通インフラを???っていたので、その中でやはり健康寿命を延ばす、社会保障負担を減らすことが大事だと思っています。もっと直接的にやれる方法はないかなと思ったのが、共働きやひとり暮らしで「主食・主菜・副菜・もう1品」が食べられなくなっていく中で、主食に「主菜・副菜・もう1品」の原材料や栄養素を含めていけたらいいよなと。「難しいだろうけど、自動運転とかやっているんだから、10年〜20年すればおいしくなるんじゃないの?」というのが起業の理由だったんですよね。エコシステムだとヒト・モノ・カネ・情報があると思うので、やはり1つは、社員。あと取引先と言いますか、パートナー企業があると思っています。まず採用って意味では、ミッションをちゃんと説明して、ミッション共感性が高い人に入ってきてもらうことは、すごく大事だと思っています。やはり事業は常にいろいろと大変だと思うんですけど、変わらないものはミッションに向かっていくところで、ファンダメンタルなところをしっかり作れると思いますし。取引先のみなさまも、我々ってコンビニ3社さまとか本当に多くの方に扱っていただいているんですけど、どうしてもやはり創業100年とかの食品会社と比べられると、厳しいところもあると思っています。でも、「社会課題解決につながっている」という思いで、けっこう大手の中でも、1人の担当者が支持してくれることが、すごく大きかったりすると思っています。なので、そのあたりは今まで成長してこられた理由じゃないかなと思っていますね。 大企業とスタートアップは強みが異なる 篠田:なるほど、ありがとうございます。ミッションが明確にあって、そこにコミットした社員の方々が集まることが、お付き合いする大企業をも動かすと。ここがエコシステムをドライブするというご経験ですよね。橋本:そうだと思いますね。やはり支えてくれると思うし、もしかしたら大企業の経営者の方々も、そういった影響を求めてくれているところもあると思いますね。篠田:例えば先ほど、実際に製造は歴史100年のパン屋さんとかに委託されているとうかがったんですが。向こうから見ると、それこそ初めて業務提携された時は、まだ(ベースフードさんは)社歴も短いし、小さかったと思うんです。相手から見て、ベースフードさんの業務委託を受けようとなった動機は、どのあたりにあったと思われますか?橋本:会社さんもステージや大きさは違うと思うんですけど、やはり最初に「100年やっていたけど思いつかなかった」と言われますね。それを自分たちの小さなところで実現させていることは、やはりものづくりの担当者としてリスペクトに値すると、思っていただけますね。やはり大企業とスタートアップで強み(に違い)はあると思っています。我々で言うと、マスプロダクションみたいなところは、我々が取り組まないほうがいいと思っていて。でも彼らもずっと同じことをやっていると、例えば価格競争になっていくじゃないですか。だから新しい付加価値を足せればそこから抜け出せる。そうするとまた社員にもメリットを還元できると思うんですよね。そこは役割分担かなと思っています。...
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趣味やスキルを活かした低投資・低成長・低関与の「そこそこに稼ぐ」ことを目指す起業スタイルに注目した「そこそこ起業(ライフスタイル企業家)」。本イベントでは、東京都立大学大学院経営学研究科准教授の高橋勅徳氏が登壇。今回は、好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターンについてお伝えします。 マーケティングや差別化も一切考えない 高橋勅徳氏:実際に、Lifestyle entrepreneurと僕たちが信じる人たちにインタビューしていくんですけど、「マーケティングとか、差別化なんて知らん。俺たちはただ、好きなこと、できることをやっているだけだ」と言われることがほとんどで、論文の内容としても、まだまだ体系化が進んでいません。ここで引用している論文ではサーフィンの写真を出しているんですけど、サーフィンとかスキーとかマウンテンバイクとか、ライフスタイルスポーツといわれる分野を、ライフスタイル企業家から迫る研究は非常に多いんですね。そういうところで、ショップやカフェをやりながら、サーフィンを楽しんで生きている人たちのインタビューをしているのが(Laura)Wallisたちの研究になります。タイトルが非常にすばらしくて、「Just want to surf, make boards and party」というものです。「俺たちはただサーフィンがしたいだけ。ちょっとボートを作って、仲間と一緒にパーティーをする。そのために、このお店をやっている」と言う意味ですね。そこにはマーケティングとか差別化ということは考えられていない。起業する時、あるいはビジネスモデルでもいいですが、それこそ起業の教科書みたいな本は今たくさん出ていますけど、そこで言われているようなことも一切考えていないということになります。 好きなことだけして生きていく3つのパターン...
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メディアでも話題となり、企業側も問題意識を持っている「退職代行」サービス。本イベントは「退職代行に怯えない組織になるため」と題し、退職代行ビジネスの現状と人材定着の施策について探りました。本記事では、従業員とのコミュニケーションの取り方について、具体例を紹介します。 退職者が出た時に「会社がどんな対応をしたか」は見られている 松島一浩氏(以下、松島):次に、僕が今日一番しゃべりたいことかもしれないです。「退職者が出た時の対応」ですね。「退職どうしましょう?」という相談を本当にいただくんですが、めちゃくちゃこだわってください。もう今は10月(イベント開催は2024年10月11日)なので、新卒の方がいたら遅いかもしれないんですが、一発目に(退職者が)出た時に上司や会社がどんな対応をしたかということを、やっぱり同期の子は見ていますよね。これがすごく大事。個人情報やいろんな問題があるので、退職理由を言えないとかいろいろなケースがあると思います。ただ、そこに対して上司がどう思っているのかを、できればチャットとかではなくて、全体の場や朝礼とかでみんなに伝える場を取るべきだなと考えています。(共有の仕方は)「まぁまぁ、あいつはもうしょうがないから」「しょうもないよ」みたいな感じじゃなくて。私のクライアントでもいるんですが「退職代行を喰らいました。すごく残念です」と。申し訳ないこともしたし、でも悔しいし、こっちも傷ついてるということを正直に話し、反省も述べる。「でも、こういうことを伝えたかったんだよね」という後悔も全体にちゃんと開示した時に、その後も残った子たちとのコミュニケーションがすごく良くなったという話を聞いたりします。だから、誤魔化したりしない。退職に対してちゃんと真剣に向き合ったり、思ったりしてるんだという上司や会社の姿を見せた時に、「退職代行を使いますか? この人にはちゃんと言いたいなってなりませんか?」というふうに思うんですよね。だから(新卒社員が目の当たりにする)1人目の退職が本当に大事だと思います。今からでも遅くないと思いますので、退職社員に対してどうそれを取り扱うかということでした。 上司が部下に気持ちを伝える場を設ける 松島:「隣のエースとランチ」も、ちょっと斜めの(関係での)発想です。自社の自チームだけに閉じないことが大事で、活躍してる他の部署の先輩や上司とランチしたり交流する場を作ってあげるということですね。ある程度、口裏を合わせたりしてもいいかなと思います。「こういうことに悩んでるんだよね」「ちょっと視野が狭くなってるから、こんなアドバイスをしてくれたらうれしいな」ということを、部長同士やマネージャー同士が連携してヘルプするような関係。そんなことができたらいいかなと思ってます。「チーム内アワード」も本当にそうで、言いたいことがあるんですが、これは本当にやってほしいです。いろんなMVPや賞や昇進があるんですが、それとは別に、僕もこのあいだ半期に1回の会の後に全員に「○○で賞」みたいな賞の名前をつけてカードを渡したんです。こういうことをやっただけなんですが、非常に盛り上がりますし、上司が部下にちゃんと気持ちを伝える場や、「見てるよ」を伝える場として、定期的にこんなことをやるのが大事かなと思っています。「???ームKYS」は何かというと「会社良くする」の略なんです。人事の方も現場の方も、やっぱり1人で戦うのはなかなか大変だと思うんですよね。今日のセミナーも、僕は知り合いに「1人で参加しないでぜひ会社の人と複数で参加いただいて」と伝えたんですが、「明日からこうしようぜ」みたいなことをやってほしいなと思っています。「でもな、これを部長に言ってもな」と思うんだったら、課長とリーダーでチームKYSを結成して、会社を良くするための取り組みを何かしらしていく。仲間を会社の中に作るということですね。ぜひこれをやってほしいなと思ってます。 思っていることを言えない状態が一番病む 松島:「新卒との約束」というのは、ある意味メンターの逆側みたいな話なんですが、新卒や新人にちゃんと約束をするのが大事かなと思っています。うちの例で言うと、僕は今年の新卒は3つのことを約束したんです。これも業態や社風もあるかもしれませんが、とにかく読書を1ページでもいいから絶対に毎日するという「毎日読書」。本当は一生って言いたいんですが、これを約束として1年間しました。あとは寝る前に必ず自分の胸に手を当てて、「今日は全力だったか?」で、YESと言って寝ることを約束しました。もう1つは、会社の中に思ってることを言える場を作る。ただただ「乗り越えろ」「がんばれ」だけじゃなくて、言いたいこと言える場所があることが大事。人事でもいいし、もちろん直属のメンターでもいいんだけど、その上の部長でもいいし、誰かに思ってること言える場を絶対に作ろうと。体がしんどくても、大変だなぁと思っても、思ってることを言えない状態が一番病むので、思っていること言える状態を絶対に会社の中に作ろうという話をしました。強い要求と共に、そこが今の時代に必要かなと思って、そんなことを最近はやっていたりします。 就活における「オヤカク」問題 松島:という感じで、怒涛で続けちゃっていいですか、新保さん。新保博文氏(以下、新保):実はタイムキープ的にはまだ大丈夫なんですが、たぶんみなさんが気になるであろういくつかを飛ばして聞いてきたい。例えば「入社式に親を招待」とか。松島:これは本当に聞いたお話で、ちょこちょこそういう会社が増えてるんだと思いますが、めちゃくちゃ良いなと思っていて。今、親に事前に(入社を承諾しているかどうかを企業が確認する)「オヤカク(親確)」という言葉があったりしますよね。「親ブロック」とか「親ブロックブロック」どうしようとか、みんなそういう話をしてるんです。入社式に親を招待すると言って、「いやいや、うちの親は来ないって言ってます」となっても、ぜひなんとか親に来てもらってほしい。地方であってもできれば来てほしいな。実際はリアルで来てほしいですが、最悪オンラインでも。そこで、新入社員に親への手紙を読んでもらうんですよ。ここまで育ててくれたことへの感謝と、これからの決意をしてもらうという話があって。これは最高ですね。新保:そういう意味だと、さっきの「大学のテーマパーク」という話がありましたが、お金を払ってサービスを受ける側だったところから???お金を貰う側になるという決意をすると、少し切り替わるかもしれないね。松島:この後、何かあった時に親とも連絡が取りたいとか。もう社会人なんですが、もうそういうことが必要な世の中かなと思ってもいるので。 入社式に親を呼ぶ理由は「1つの区切り」 新保:うがって見ると「親を入社式?」みたいなになるかもしれないですが、今の時代で言うと、決意表明で(親も子も)どっちも区切りがつくのかもしれないですね。松島:これ、絶対に親のためにやるべきだと思っていて。親が承認される瞬間って、結婚式ぐらいしかないんじゃないかなと思ってる。結婚式で「自分の子育てって間違ってなかったんだな」って思って泣いたりすると思うんですよね。新保:なるほど。松島:社会に育てられてる自分の子どもを見て、1つの区切りとして親にプレゼントしてあげたいって、僕も息子を2人持つ親として思ったりして(笑)。「ぜひ来てください!...
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社会的インパクトの最前線に触れ、参加者との共創を生み出すことを目指すイベント「IMPACT STARTUP SUMMIT 2024 」が初開催されました。本セッションは「次世代人材育成とインパクトスタートアップ」と題し、次世代人材育成におけるインパクトの視点の重要性や、インパクトスタートアップが共創する社会について議論が行われました。本記事では、日本における人材育成のヒントを探ります。 無意識に生まれる地方へのバイアス 水野雄介氏(以下、水野):今、ちょっと地方の話もありました。今日はピッチでも地方がすごく多かったんですよ。宮崎からとか、沖縄とか信州とかあったんですが、地方のチャンスじゃないけど、地方と東京の違いってどういうふうに見ればいいんですかね? どなたか。深井龍之介氏(以下、深井):誰に聞いておけば……(笑)。水野:つまり、地方の大学とか、もしくは高等教育機関はどうあるべきなのか。地方って言わなくてもいいんだけど、もしかしたら差分をつけられるのかとか、できることってあるのか。そうすると地方活性にもつながるし、そこに行きたい学生を増やせれば、芽がグッと出たりもするかもしれないじゃない。だから地方というのは、どういうふうにこの次世代教育を捉えればいいのかなっていうのを、永田君か先生、お願いします。永田暁彦氏(以下、永田):まず、地方がどうだって言っている時点で、地方に対するバイアスが半端じゃなくかかっているということだと思うんですよ。水野:まぁね。永田:つまり、東京に対して劣後しているっていう……。水野:劣後……うーん。永田:たぶん今、バイアスをまき散らかしていると思うんですよ。水野:はい。すみません。永田:実際、というか世の中がそうですよ。だから勝手に東京に集まるわけでしょう?水野:そうね。永田:みんなが勝手に東京に集まる。僕は東京に住んでいないから、東京なんか住みたくないと思っているし、だから今日もつらくてしょうがないんですが。(会場笑) 「東京にいなければならない理由」が減少している 永田:東京にある価値って、やはり「人」なんですよ。東京は人の価値が半端じゃないですよ。でも、それもITによって確実に「東京にいなければならない理由」が減少しているわけですよね。東京じゃなくちゃいけない価値が減少し続けているのに、東京に何かがあるかもしれないという幻想……いいライム(「減少」と「幻想」で韻を踏んでいる)ですね。幻想を得続けているっていうのは、明らかにギャップがあると思っています。反対からしてみれば、東京との対比で言えば、その地方にしかないバリューにちゃんと目を向けられているかどうかがとても大切な事実だと思うんですね。そこには文化があり、歴史があり、サイエンスがある。僕たちのファンドは、日本で一番地方に投資しているファンドの1つなんですね。なぜかというとアカデミア、国立大学というのは、ノーベル賞は東京大学以外のほうがはるかに多いわけじゃないですか。どれだけ各地域の歴史的背景から研究が積み重ねられてきたかに注目するだけで、お金のアロケーションは変わるというだけなので。それはファンド???いう1つの事象だけでもそうなんだから、自分の人生、企業、組織から考えても、そこにある特別な価値観を見つけ出しさえすれば、東京以外にそういうものがアロケーションされるはずだと思っています。それを認識したその地域の生徒や子どもたちが何を学ぶかは、今、僕たちがその価値をちゃんと発見して顕在化させてあげることが、とても意味があることじゃないかなと思います。 日本のいいところは各地域に国立大学があること 藤井輝夫氏(以下、藤井):おっしゃるとおりで、ほとんど付け加えることはないんですけれども。ただ、やはり日本のすばらしいところは、国立大学という話がありましたが、要するに各県に必ず国立大学があるという点ですね。それから、その大学ごとに地域の特色、あるいは地域のみなさんにサポートされている優れた研究があるということなんですよ。また、さっきの話に戻りますが、それをちゃんと世に出すというか。それぞれ地域ごとにいろんな特色や歴史的な背景も重なって、それぞれのやり方が出てくるんだと思うんです。それをうまく実装してあげれば、その地域に特色づけられた、いいスタートアップなり、インパクトなりを生み出せるようなものは出てくるはずだと思う。大学コミュニティとしてもそういうことができるといいなっていうのは、私自身もずっと考えていることではありますね。深井:さっきの質問、これに誘導したくて聞いてくれたんですね。水野:そう。深井:ごめんなさい、完全に外れてしまって(笑)。水野:(笑)。リーダーの話ね。...
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社会的インパクトの最前線に触れ、参加者との共創を生み???すことを目指すイベント「IMPACT STARTUP SUMMIT 2024 」が初開催されました。本セッションでは「インパクトエコシステム」と題し、エコシステムの新たな潮流について議論します。本記事では、規制を「自分たちが作るもの」と捉える重要性について語ります。 宇宙のゴミ掃除の事業を孫泰蔵氏に相談 篠田真貴子氏(以下、篠田):これは岡田さんにうかがってから、木原さんに同じ質問をさせていただきたいんですが。まさにスタートアップで、アジェンダセッティングをするのに、初めは「あなた誰?」状態じゃないですか。そこから、今言っていただいたアジェンダセッターとして認められる立場になったこと……その転換点になったタイミングとか出来事は、何かありますか?岡田光信氏(以下、岡田):私が宇宙のゴミを掃除しようと心に決めて、尊敬の意味を込めて、孫泰蔵さんに最初に説明に行ったんです。西麻布の何かのお店だったんですけど、2分で終わったかな。(会場笑)孫泰蔵氏(以下、孫):(笑)。「えぇ?」と言って終わりましたね。岡田:ちょっと説明が足りなかったかなとも思うんですけれども、何の質問でしたっけ?(会場笑)孫:政府とかそういった人たちが動くように、あなたのアジェンダが社会のアジェンダにスイッチする瞬間は何かあったんですかと。岡田:ありがとうございます(笑)。私がやっていたことのイメージで言うと、50メートルプールをつまようじでかき混ぜ始めて、今4,300日くらいだと。それを毎日やっていると、大きな渦になっているというイメージなんですね。でも、これはけっこうシンプルだと思っていて。例えば今日も一人ひとりにお話しするじゃないですか。こうやって話した時に、帰って、「今日めっちゃおもしろい話を聞いたよ。こんな問題があって、こんなことをやろうとしていて、ここまで来ている人がいるんだよ」という反応の積み上げだと僕は思っているんです。だから、いかに一人ひとりとちゃんとお話をして伝わっていくかの積み上げじゃないかなと思っています。 「お金を払う人がいない」社会起業の問題 橋本舜氏(以下、橋本):泰蔵さんはそれを聞いてどう思ったんですか?孫:「えぇ?」と思った。(会場笑)孫:「えぇ? 無理でしょう」と。というか、もうちょっとちゃんと言うと、それはすごく大事なことだと。ちょうどその時、映画で『ゼロ・グラビティ』がやっていて、(その問題が)ものすごく怖かったんですが、「あれは本当なんですよ」と言われたんです。「でも、それを掃除したら誰がお金を払ってくれるの?」と素朴に聞いたんですよね。そうしたら、「うーん、それが問題なんですよ」って。「それが問題なんだったら、ものすごく大変だよね」って(笑)。(会場笑)孫:いろいろ話をしたことを憶えています。橋本:でも思うのは、僕も8年半やっているから信じてもらえるっていうのがけっこうあると思っていて。岡田さんも長いと思???ますけど、信じられない話も、人生フルコミットして長年やっていると、本人なりにはファクトなんだろうなって感じがします。篠田:「まだやっているよ」ということですか?孫:うん。岡田:一応フォローアップで言うと、ちゃんと最初のラウンドにお金を入れていただいたんですよね。(会場笑)孫:そうですね。でも実は「誰がお金を払うの?」というのはものすごく根源的で、そのへんのスタートアップが「顧客が誰?」と言っているのとレベルが違う「誰?」だと思うんです。だって、「払う人がわからない」じゃなくて、「いないじゃん」というところから、彼は本当に世界中でロビイング(特定の主張を有する個人または団体が、政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動)をして回って、「これは人類全体として負担するべきだ」と。人類全体と言うとフワッとしてるから、誰がどう負担するべきか。各国のどのパートがどういう理屈でそのコストを負担していくべきか、ずっと地道にロビイングしていったんですよね。IEEE(米国電気電子学会)とかでも話していたり、いろんな機関と話をして、そこから知恵を得て、モデルを組み上げて、国連とかいろんなところをリードしていったんですよね。それが「なるほど」とみんなが思える理屈だったので、多くの人たちが乗っかってきてフォロワーが増えて、大きな流れになっていったと、私は解釈しています。岡田:丸です。ありがとうございます。(会場笑)孫:最初からそう言ってよ(笑)。 アメリカで誰もお金を出さなかったドローン事業が、時価総額6,000億円に 橋本:インパクトエコシステムですよね。篠田:本当に。だから「エコシステムはどうあるべきか?」という質問が間違っていたと、今反省しました。「自分がどう作りたいの?」という話だよ、ということですね。岡田:そうです。孫:そうそう。「自分が作る」というのがインパクトスタートアップの場合は大事で、そこからやらなきゃいけないっていうのがポイントですね。私が応援しているアメリカの企業なんですけど、ドローンで物を運ぶスタートアップがあるんです。アメリカでは航空法の規制があってそもそも飛べないので、誰もお金を出さなかったんです。「飛べないんだったらビジネスにならないじゃん」と言って。彼らは、規制がないルワンダっていうアフリカのほうに行ってビジネスを始めました。それで既成事実を作ったらホワイトハウスの人たちが見に来て、「これはすごい」となった。実はアメリカも中西部や田舎のほうはアフリカと同じような状況で、ロジスティクスに困っている。特にルワンダでは、救急物資を運んでいたんですよね。ワクチンとか輸血用の血液とかは一刻を争うので、救急でドローンで飛ばすのがものすごく効いたんですよ。そういう同じような課題はアメリカにもたくさんあるということで、ホワイトハウスの人たちと彼らがロビイングのリードを取って、「規制はこうあるべき」というドローン法みたいなのを、その会社が自分たちで作っていったんですよね。それを、政府の人たちも「なるほど」と言ってお互い学習しながら作っていって、今アメリカでは実際に飛べるようになって、ものすごく急成長しました。まだ未上場ですけど、ユニコーンとか、もう6,000億円くらいの時価総額まで来ています。岡田:その話なんですけど、実は先週、NASDAQのCEOのアデナ(アデナ・フリードマン)さんと食事したんですけど、最近聞いた話で一番おもしろいのは、Ziplineとアストロスケールって言っていました。孫:おぉ。...
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趣味やスキルを活かした低投資・低成長・低関与の「そこそこに稼ぐ」ことを目指す起業スタイルに注目した「そこそこ起業(ライフスタイル企業家)」。本イベントでは、東京都立大学大学院経営学研究科准教授の高橋勅徳氏が登壇。今回は、局所的に発生する需要に目をつける立地戦略など、「そこそこ起業」のポイントを語りました。 コロナ禍で一番強かったお店は「町中華」 高橋勅徳氏:最後に立地戦略なんですが、『なぜあの人は好きなことだけやって年収1000万円なのか? 異端の経営学者と学ぶ「そこそこ起業」』の第5章、ゲイタウンの話。第10章、写真を出していますが、京都の炙り餅の話。第11章、魚のさばき屋さんの話をしているんですが、その章も参照していただきたい???思います。実は、局所的に小規模な需要が安定的に発生する立地ってあるんですよね。炙り餅屋さんだったら、京都のけっこう大きい観光名所のお寺があって、その門前町の中にあります。定期的に必ず人通りがある場所。ただし、いわゆるスターバックスとかマクドナルドとか、ナショナルフラッグシップのブランドのチェーン店が入るには人通りが少ないような場所が、実はけっこう町中にたくさんあるんですよね。この炙り餅屋って、1,200年くらい続いているんですけど。そういう場所には低資本で低技能でも開業できるような、小規模ビジネスのお店屋さんが集まってくるのですね。焼き鳥屋さんとかでも、町中でよく見る個人経営の焼き鳥屋さんは、まさに局所的に小規模な需要が発生しているような、あるいは人流が発生しているような立地の中で、小さな規模でお店を開くケースがあります。そういう立地が活かせるようなビジネスをやると、実は低投資で安定的に稼げるのを、私達は見落としがちです。低投資で開業できるような資源をあらかじめ持っている人は、この世にいます。親がちっちゃなアパートを持っていたり、貸しビルをやっているみたいな。あらかじめ(資源を)有している人が、細く長く稼ぎ続けられるお店を持っているケースが、町中を見るとたくさん溢れています。実は近年注目されているような町中華のお店は、コロナ禍で一番強かったと言われています。要はお店を開く時の経営学的発想の時によく言われるのは、「そんな人が少ないところでお店をやるんだから、お店に魅力を持たせなきゃいけない」とか「そのためにマーケティングをちゃんとやらなきゃいけない」とか。それは「そこそこ起業」の観点では、真逆の話になります。「PRとかSNSを使って戦略的に動かなきゃいけない」と言われるけど、そんなことは関係ないよと書いているのが、5章、10章、11章になります。 河川敷に男性と子どもを集める簡単な方法 もっと専門的に言うと、物質性の利用という話をしています。僕が好きな漫画家さんで、物質性の話を非常にうまく表現してくれているもので、「男の人を集めようと思ったら簡単だ」って話があります。例えば、河川敷に男性と子どもを集めようと思ったらすごく簡単で、「焚き火と棒を置いておいたら来る」と言うのですね。男は勝手に寄ってきて、焚き火があったら火をもっと大きくしようとしたり、何かを焼こうとしたりすると。棒が落ちていたら、チャンバラするか、野球するかのどっちかだって。それだけで集まってくるから、焚き火が人を呼び寄せるんだと。要は、「そこで何かをやりたい」と思う根拠を持つものがそこにあるだけで、人が集まってしまうと。その集まった人の中で成立するような小規模なビジネスを考えるという、実はマーケティング的ではない、逆の手順があります。ベンチ1つあれば人は集まる。だったら、そのベンチの近くに何を置くか。ベンチで集まった人にどういうサービスを提供するかって商売のやり方が考えられますよと。何かを始めるために人の集め方を考える。そのた???に、人のニーズは何かを探るというのは、実は本末転倒だと。まず集まる状況を作ってから考えようと、『そこそこ起業』では書かせていただきました。そうすると重要な考え方は、「人が集まっている場所(の近く)を通る、数少ない人間の中から、どういう稼ぎ方をするのかを考えていったらいいんじゃないか」という話になりますよね。「そこそこ起業」の研究、Lifestyle entrepreneurshipの研究では、ハッキングの話と引きこもりの話は、先ほど言った行為戦略のリストの中で非常にたくさんあります。それに対して立地という話については、去年くらいからようやく注目されるようになった、もう1つの行為戦略の類型です。例えば定年退職後に物件や資産を持っている人が「そこそこ起業」で小銭を稼ぎながら楽しく生きていくために優先して考えるべきなのが、この立地という行為戦略なんじゃないのかなと改めて注目しています。 起業は本来は小さくまとめられるもの 最後に「おわりに」ということで、なんで僕が『そこそこ起業』という本を書いたのかといいますと、1つは先ほど冒頭で言いましたように、親父の研究がしたかったと。僕は2024年でちょうど50(歳)なんですけど、親父はこの50の年にガンで死んじゃったんですが、死ぬ前年まで、仕事を選んで自分が建てたい家を建てました。子どもの僕を大学まで行かせて、妹も専門学校に行って、結婚目前のタイミングで結婚式に出られずに死んじゃったんですけど。けっこう男としての人生を満喫して死んだんですよね。やっぱり最後は幸せそうでした。ただやりたいことをやりきって借金を残したんじゃなくて、やりたいことをやって周りの人も幸せな状態で生きていく人たちが1人でも増えたら、当然社会は幸せになると思います。生きづらさが現代社会のキーワードの1個になっていると思いますけど、好きなことだけやって幸せそうに生きていくことが、10人に1人くらいできるようになったら、もっと少しは風通しがいい社会になるんじゃないかなと思っています。そうした時に、企業家研究の研究者としては、まさに起業という概念に取り憑いているロマンチシズム、罠・トラップって言い方を僕はしたりしますが、そこからいかに起業という行動を解放するかを考えなきゃいけない。社会的理由が起業に求められてしまう現代は、本来は「小さくまとめられる」はずの商いを、ステークホルダーがよってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるのが現実ではないかと思います。こういう状態が行き着くところまで行ってしまうと、社会的に起業する理由がない人たちが、それでもなんか好きなことをやりたい、そのためにお金がいる、お金を稼ぐためにどうしようってやっているうちに、ネットワークビジネスとか投資ビジネスとかに誘導されて、もっと悲しい状態だったり、下手したら犯罪に巻き込まれたりする。そうした時に、もう1個のオルタナティブとして「そこそこ起業」は必要なんじゃないかということになります。 好きなこと・やりたいことがなくても「そこそこ起???」はできる だからこそ、世界の研究者が「ウェルビーイングや解放やレジリエンスという成果を獲得するための方法として、起業があるんだよ」と位置づけ直していくのが、世界の研究トレンドの一つになっているのだと思います。同時に、この本を書いた時に感想としてあったのが、「僕には好きなことがないんですけど」「私には得意なことがないんです」という人がいて、「それじゃあ『そこそこ起業』は無理ですか」と聞かれるんですけど、「そんなことないですよ」と僕はよく言っています。なんでかと言うと、商う力は人間が本来持っている力だからです。最近私はそれを「野生の経営感覚」と言っているんですけど。先ほど言った歌舞伎町で出会った怪しいおっちゃんだって、ただの印刷屋の営業マンだったんですよ。彼は知識とスキルはあったけど、特にやりたいことも好きなこともない人でした。それでもある日気づいて、発想を変えるだけで週3日(仕事をすれば)、あとは飲み歩いているだけで生きていけるようなライフスタイルを獲得していった。そう考えていくと、この能力を会社のためや国のため、地域のために使うんじゃなくて、自分が楽しむためにどう使うのかっていう、人間が本来持っている感覚をどう取り戻すのかというのが、そこそこ起業、ライフスタイル起業に込められた1つの提案になります。そういう意味で『そこそこ起業』の理論的B面として書いているのが、『アナーキー経営学』という2024年2月に出たものです。これも合わせて読んでいただくとうれしいなと思います。ひとまず私からのお話はここまでにしたいと思います。
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社会的インパクトの最前線に触れ、参加者との共創を生み出すことを目指すイベント「IMPACT STARTUP SUMMIT 2024 」が初開催されました。本セッションでは「インパクトエコシステム」と題し、エコシステムの新たな潮流について議論します。本記事では、ファミリーオフィスとインパクトスタートアップの相性の良さについて語ります。 各地方の有力な企業とインパクトスタートアップの相性の良さ 孫泰蔵氏(以下、孫):実は僕もまったく同じ視点でお話ししようと思っていたんです。これは日本も他のアジアの国々も、実はヨーロッパもそうだとこの間確認したんですが、ファミリーオフィスと言われる人たちがいるんですね。日本で言うと、地方のいわゆる豪族って言われる人たちが、その地域でいろんな事業をやっていらっしゃる。例えばバス会社やタクシー会社のような交通系や、ガソリンスタンドを経営されていたり、小売業をやっていらっしゃったり、製造業界の発祥(の企業)ですとか。いろいろなものを複合的にその地域でやっていらっしゃる企業って、各地にあって。アジアの各国にも財閥って言われる人たちがいらっしゃるんですけど。実はそういったファミリーオフィスの人たちは、インパクトスタートアップのエコシステムと親和性がすごく高いですし、実際にやり取りをしていて非常に手応えを感じています。どうしてかと言うと、ちょうど今、代替わりが起こっているんです。創業者はおじいさまとかおばあさまだったりすることが多くて、そこから今、2代目、3代目がちょうど継ごうとしているタイミングなんですよね。日本もアジアも全体的にそうなんですが、今、継ごうとしている3代目の人たちって、だいたい30代〜40代前半くらいなんですよ。そういった人たちは、もちろん自分たちの事業をアップデートしなきゃいけない。従来のやり方では古くてついていけないから、アップデートしなきゃいけないのは当然あるんですけど。それと同時に、ソーシャルインパクトや、環境のことや地域のこと、教育とかいわゆる社会的な意義をものすごく意識している世代なんですよね。その2つが両方あるんだけど、どうしていいかわからないところがあって。実は私たちはインパクトスタートアップの人たちと彼らを(つなげるために)、一緒に投資をするとか、ソリューションとして紹介をすることを通じて、ネットワークをどんどん作っていくことをやっています。「あなたたちはその地域の担い手でしょう?」「単純に一企業というよりは、もうその地域を代表して、社会をどう盛り立てていくか、どう良くしていくかという社会的義務みたいな責任感をお持ちですよね?」と。「その時にインパクトスタートアップの持っている技術やアイデア、製品、サービスを使いながらやっていくと、雇用も増えるし、社会的意義や地域の課題を解決できることがいっぱいありますよ。そしてそこで自分たちも事業のイニシアチブを取れますよ」という話をすると、どこの国でもめちゃくちゃ刺さります。 「運用利回りを最優先しなくていい」ファミリーオフィスの優位性 橋本舜氏(以下、橋本):僕もファミリーオフィスの、自己資金で回しているファンドの方と話すんですけど、ファミリーオフィスって、結局ファウンダーズ・ファンドですよね。創業者の自己資金で投資できるファンド。人さまのお金じゃないから、運用利回りを最優先しなくていいと思っていて。ここにいる起業家の人たちが、みなさんファミリーオフィスのファンドを作って、自分の意思で投資できることがどんどん増えてくると。それはすごく楽しみだなと思っています。木原誠二氏(以下、木原):泰蔵さんの話で感じることは、地方創生が政府のテーマなんですね。この地方創生っていうのは、岸田政権であれ菅政権であれ安倍政権であれ、これから誕生するであろう政権であれ、共通のテーマなんです。今までは、地方に予算を回す、税金を回す、国の機関を地方に持っていく、いろんなことをやっているんだけど、フライしないですね。なぜかっていうと、そこにやはりビジネスがないし、ある種のドリームもないし、それから社会貢献するっていう意志もないので。地方創生は、これからはやはり企業城下町みたいなのを全国に作って、企業の連携で地方を元気にしていく時代だと私は思っています。そういうことを考えた時には、泰蔵さんがおっしゃるとおりで、各地方には有力な豪族的な企業がいる。こことインパクトスタートアップがしっかり連携をして、大きな企業連携体の中で地方を押し上げていくモデルがこれから必要になる。じゃあ、「それは誰がつなぐのか?」というのを、泰蔵さんみたいな方がやっていただくのは非常にいいけれども、本来は金融機関とかがしっかりやらなきゃいけない。だけど、まだそこが十分意識ができていないので、エコシステムを考えた時は、金融機関の意識向上もこれから非常に重要かなと思っています。 地銀もエコシステムの重要なプレイヤーに 孫:おっしゃるとおりで。実は2023年の暮れに、「日本中の豪族の後継者の方々をお集めした会があるので、泰蔵さん、話をしてくれ」と言われて、行ったんですよ。みずほ銀行が主催で、いわゆるプライベートバンキング部だったんですけど。特にプライベートバンキングといっても、そういう方々だけを集めた会合をやって、勉強会を継続的にやっていらっしゃるらしくて。それで僕がそういう話をしに行ったら、めちゃくちゃ刺さっていました。「ぜひもっと具体的な話を聞きたいし、具体的な会社を紹介してくれ」と言ってくださったんですよね。彼らもまだ、継ぐといってもやはり実績を作らないと正式な後継者になれないみたいなところがあって。そういう意味で彼らを後押しすることにもなるんですよね。なので、「どんどん実績を作れるように君たちを応援するから、一緒につるんでいきましょう」と、僕は言ったんですけど。おっしゃるとおり、地銀さんもいっぱいいらっしゃるから、金融機関がその橋渡しをうまくできるはずなので。そういうふうになるといいですよね。地銀もエコシステムの重要なプレイヤーになるべきだなと思います。篠田:この話題を私が投げかけた時は、ちょっと思いもしなかったこと、中でも「地方の豪族のような企業さんとか、それを支える金融機関、あとその地域の自治体もエコシステムの中のすごく大事なプレイヤーだよ」というところが浮上してきました。いかがですか?橋本:そうですね。我々の製造委託している日本トップ10の売上のパンメーカーの方々も、みなさん、地方の雄の方々ですね。次の社長になられるであろう方が、今40代くらい。篠田:さっき岡田さんが言っていた、要はミレニアル世代からもっと若いくらいの世代。橋本:まぁ、そうですね。僕からすると10歳くらい上なんですけど、そういう人たちがもう専務とかをやられていて、やはり意気投合してやっているケースがけっこうありますね。篠田:そうか。じゃあそこは、橋本さんたちも実感があるところなんですか?橋本:そうですね。特に製造業っていうのは、東京本社じゃない会社がほとんどだと思うので。例えば愛知だったり九州だったりするので、そういった意味では全国の方々とご一緒する機会は増えましたね。 セールスフォース創業者が鏡の前でやっている習慣...
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趣味やスキルを活かした低投資・低成長・低関与の「そこそこに稼ぐ」ことを目指す起業スタイルに注目した「そこそこ起業(ライフスタイル企業家)」。本イベントでは、東京都立大学大学院経営学研究科准教授の高橋勅徳氏が登壇。今回は、倒産リスクが一気に高まる、起業家がやりがちな間違いについて語ります。 「そこそこ起業」の実践者はどこにいる? 司会者:残りはみなさんからの質問の時間にしたいと思いますので、チャットにどんどん投げてください。今すでに、お一方あげていただいていますね。研究方法についての質問です。「たくさんのそこそこ起業をしている方にインタビューされたと思うのですが、どうやってそういった方を見つけてくるんでしょうか」というご質問ですね。高橋勅徳氏(以下、高橋):先ほどのマウンテンバイクの話は、連載のために毎月ネタを探している時に知り合いの先生が紹介してくれました。それ以外のものは、正確に言うと、見つけてきたんじゃなくて、出会っていたけど使っていなかったというのが正解???なります。これはある意味、僕は研究者としてすごく反省があります。先ほど冒頭の自己紹介のところでも言いましたが、企業家研究の研究者として大学の先生になって、学会の中で評価を獲得していこうとする時、要は学会誌に査読付き論文を獲得しようとか、学術出版で本を出してもらおうとする時に、いやらしい市場性があったんですよね。今流行りはITベンチャーだとか、バイオベンチャーだとか。あるいはソーシャルビジネスで差別問題を扱っているところだとか、環境問題を扱っているところだっていう意識がずっと働いていて。それ以外に、例えば調査の過程でたまたま出会った人とか、旅行先で出会った人とか。それこそ僕は新宿の近くに住んでいるんですけど、歌舞伎町で飲んでいる時にたまたま会ったバーのおっちゃんの話とか、全部研究と関係ないと思っていて。記憶はしているけど、調査の対象に入っていなかっただけだったんですよね。研究者として名乗り始めてから27年。人生で言うと50年生きてきたから、実は「そこそこ起業」をしていた人にめっちゃ会っているんですよね。そういう意味では、「どうやって見つけたんですか」じゃなくて、実は出会っていたというのが正解です。 就労人口の3割は自営業 高橋:先ほど言ったように、就労人口の3割は自営業をされているんですよ。ですので、みなさんの身の回りでも、実は「そこそこ起業」で生きている人はいっぱいいるはずなんです。あるいは、そういう人たちって町中でもたくさんいます。それを「俺には関係ない」とか「ビジネス的に関係ない」とか。「あの店舗だったら月の売上200万円くらいでしょう。だとするとうちの会社だったら商売にならないよね」という感じで、全部自分に関係ないと思って見ているのが現実だったりしますね。でも「そこそこ起業」という、Lifestyle entrepreneurshipという新しいラベルで見ていくと、好きなことを自分でできて、しかも好きなことをやりながら今までより豊かな生活ができるヒントを見逃していた可能性があることを知ってもらうためにこの本を書いたんです。これは僕にとっても、学びの過程でした。先ほど言った繰り返しになりますが、企業家研究の研究者としてあらゆる企業行動を研究対象にするって言いながら、20年以上、自分の親父に類するような生き方をしているすてきな大人たちを、ずっと出会って話ししていたのに見逃していた。みなさんと比べて、僕がそういう人に会っている頻度が多いとすれば、たまたま僕が大工の家で生まれて、自営している知り合いが同級生も含めて非常に多かったからだと思います。茶飲み話や飲み場で聞いていたというのも、やはり出会いが多かったきっかけではあります。それを全部研究のチャンスに変えて本にしてしまったのが、今回の本でもあります。 「そこそこ起業」にまつわる不安 司会者:ありがとうございます。ハヤノさんから、ご自身も「そこそこ起業したものです」と。「人生100年時代として、そこそこ起業がいつまでできるかという不安もよぎります。サーフィンやボ???ィービルは年齢の壁もあり、そのあたりを取材された方々はどう考えているかをお聞かせください」。高橋:まさに2週間ほど前に、出版で協力してもらったお礼でマウンテンバイクのショップをやっている富田さんのところに行って、本を持ってお礼をしに行った時に、そういう話になったんですよね。富田さんは52歳で、足とか見たらめっちゃムキムキなんですけど。彼が言っていたのが「ひょっとしたらこの先、体力が落ちて、今やっているように山の林道に入って飛んだり跳ねたりする楽しみができなくなるかもしれない」と。「でもそれって、テクノロジーでけっこうカバーできるところがある」と。僕もぜんぜん知らなかったんですけど、自転車の技術開発のレベルはめちゃくちゃ上がっているんですよね。電動付きは今注目されていますけど、普通のアナログの自転車でも、ギアとかタイヤの素材レベルまで全部すごく変化している。そういうのでカバーできて、けっこう年を取っても楽しむ方法がある。みんな、技術のキャッチアップができないからそれがわからない。だとしたら「俺がそれをやって楽しむ姿を見せていく」と富田さんはおっしゃっていました。林道で飛んだり跳ねたりできなくなったとしても、「年寄りで、今まで飛んだり跳ねたりを散々やって、足の骨も2本、3本折って初めてできる楽しみ方を見せていくことで、また仲間が増えていく」という話をしていたんですよね。僕はボディービルが趣味で、YouTuberの人もチャンネル登録していっぱい見ているんですけど、やっぱり似たような感覚です。若くてまだ始めたばかりの人たちが見たい動画もありますし、ある程度トレーニングした人が「もっと化け物みたいな筋肉になりたい」という人たちが集まるチャンネルもあるし。年を取ってきて、この先70(歳)、80(歳)まで元気に歩けるようにっていう人たちのための筋トレを紹介する動画もあったりして。それは自分が趣味として続けている限り、「そこそこ起業」で飯を食っているボディービルの人も年を取っていくわけですから、その年に合わせてトレーニングスタイルも食べ物もサプリメントも変わっていくんですよね。仲間も同じように年を取っているので、コミュニティも一緒に成長していくのが1つの特徴になっています。というのが私からの答えになりますかね。 倒産リスクが一気に高まる「初期投資」の罠 司会者:ありがとうございます。他にも、例えば先ほどのマウンテンバイクの方なんかも、いろいろ商売を変えながらやっていらっしゃいますね。高橋:そうです。若い頃はクラブでDJをやっていて。そのクラブにはアメリカでけっこう有名なラッパーとかが来て、シークレットライブをやるような有名なクラブをやっていたりするんですけど。子どもが生まれて小学校に行って、もう夜の仕事はやっていられない。自分も体力的についていけなくなった時に、昔やっていた自転車で事業を起こしていくという過程があったので。まさにライフスタイルに合わせて商いを変えていくことも、Lifestyle entrepreneurのおもしろいところです。司会者:ありがとうございます。あとスズキさんから「そこそこ起業において、よくあるリスクやデメリットは何ですか」。高橋:リスクで考えていくと、これはよくありがちです。たぶん飲食系の開業関係の本を見て、「お店を開こう」と思う人は多いと思います。「そこそこ起業」で自分が好きなショップを開きたいっていう人はけっこう多いです。そういう人がやりがちな間違いは、要は初期投資が高すぎることです。家賃や改装費で、投資が高すぎて回収できなくなるケースが実に多いです。あるいは、借り入れが大きくなってしまって、それが経営を圧迫して、損益分岐点を超えるまでの距離が長くなってしまうことも頻繁に起きます。実はライフスタイル起業に関する研究が、低投資をすごく強調するのは、そこにリスクがあると周知するためだと思うんですよ。なので、まずリスクとしては、投資がかかればかかるほどビジネスの規模を大きくしなきゃいけなくなるんですよと。だとすれば、いかにこじんまりとまとめるのか。いかに持ち出しを少なく済ませられるのかを意識しないと、倒産リスクは一気に高まります。 すぐ辞められる状況を作る「リスクマネジメント」...
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レオス・キャピタルワークス株式会社のYouTubeチャンネル『お金のまなびば!』は、ふだんは語りにくいお金や投資、経済の話について、ひふみシリーズの最高投資責任者の藤野英人氏や、ひふみシリーズのメンバーと一緒に学んでいくチャンネルです。今回は、GDPが縮小する日本で、リスクをとって行動する価値について考えます。■動画コンテンツはこちら 老後資金問題に対する、お金のプロの見解は? ナレーター:アンケート調査から、気になる8つのトピックをピックアップ。今回は「老後資金」。このトピックに関して、「年金をあてにできない今、お金の勉強をしてこなかった世代が、老後に困窮しないためにはどうしたらいいのか?」「元気に働けるうちは働こうと思っているが、今から準備をするとしたら、どういう選択肢があるのか知りたい」などの回答があった。果たして藤野さんは、この問題についてどう解くのか?藤野英人氏(以下、藤野):ちょっと衝撃的な答えかもしれません。「老後をなくそう」ということです。「老後」という概念をなくすことが、とても大事なことだと思います。実は老後の問題について話をすると、世の中に二通りの人がいることがわかるんです。それは、老後についての考え方なんですね。どちらかというとサラリーマンの人が多いかもしれません。それは当然なことだと思うんですが、この「老後」という意味合いは、自分が定期的にお金をもらえる先から離れた後にどう生きるか。起業家や経営者はどう考えているかというと、どちらかというと老後に向けた資金や積立をしている人はあまりいないんですね。彼らは老後をなくそうとしているんです。起業家や経営者でなくても、一般の人がそういう考え方をしてみてもいいのではないかなと思うので、「老後をなくそう」というふうに考えています。老後をなくすとはどういうことかというと、「より現役である時代を長くしよう」という意味合いになります。ずっと働くのかというと、もちろん働くことは大きな前提なんですが、働くだけじゃないんですね。自分がより現役感を持って人と交流するとか、一部お金を稼ぐこともするとか。バッチリ「老後」というような、収入がない中でお金を使って生きていく時代をできるだけ長く後にするということを、考えることが重要なんじゃないかなと思います。 「長く働ける仕事」を持つことが大事 藤野:人生100年時代だと、60歳で仕事を定年したとすると、確かに老後の期間はおよそ40年あります。60年でパッキリ(仕事を)辞めて、40年間ぶらぶらしていたら、確かにこの40年をどう生きるのかという話になるんですが、人生はもっとグラデーションで考えたほうがいいと思います。例えば年金のお金も、正直これから減っていくかもしれないとか、不安がある人もいると思います。でも、自分が5万円でも10万円でも、どういう働き方でもいいから働くことができたら、年金のお金もだいぶ減り方が少なくなると思います。これはある種の“サプリ”みたいなものですかね。年金サプリみたいなかたちで、どれだけ働くことができるのか。若い人とも接することができるし、かつ世間の人といろいろコミュニケーションを取ったら、頭も活性化されるしボケも減ります。いいことだらけですね。お金も入ってくるということですから、難しい仕事やストレスのある仕事をしなくても、少し軽作業をするとか、ネットでできる仕事とかいろんな仕事があるので、それをやれるといいと思います。「老後に備えることで重要なことは何か?」というのは、サラリーマンを辞めても長く働ける仕事を自分の中に持つことが大事ですね。今、副業が解禁されて、副業が認められている会社は増えてきましたが、副業をやったほうがいいと思うんですよ。会社を辞めた後、いろんな違う組織や違う人たちからお金を稼ぐやり方を知っていれば知っているほど、自分の老後の在り方が豊かになります。もちろん一気に副業をやるということじゃないかもしれないけれども、副業をやることによって、自分の仕事以外でお金を稼ぐ習慣を作ることも大事だと思います。もちろん僕は投資の仕事なので、「新NISA制度を使おうよ」とか、「iDeCo」という制度は確定拠出型年金ですが、これも1回当たりの資金がだいぶ増額されて活用がしやすくなる方向にまいります。なので、NISAとiDeCoを上手に使いながら老後に備える。老後の世界になったら、それを取り崩しながら使うというのもあると思います。 「老後」という概念をなくすためには 藤野:話は戻りますが、みなさんに考えてもらいたいのは、老後という世界について不安になることよりも、老後というものをなくす、できるだけ現役に近いかたちにする。どこかですべての人は死ぬんですね。そりゃ私も死ぬし、みなさんも死ぬんですよ。でも、それは合意のことじゃないですか。死ぬ直前の何年か前か、その直前かに体が動かなくなる時期があって、それでだんだんと死に向かうわけですね。それは誰もが変わらないわけですよ。でも、その前まで僕らはどれだけ生き生きと楽しく、自分の人生を歩むことができるかが大事なので、本当の意味での老後というのは体が完全に動かなくなってからかもしれません。老後という概念をなくすために、健康で生きるとか運動するとか、それから投資をし続けて将来に備えたり、複数で働けるようにして、ずっと長くやっていた仕事が終わったとしても、どこかで働いて細々と食う。それを組み合わせをすることによって、未来に対して備えることができるのではないかなと私は考えております。あまり不安になりすぎないほうがいいと思います。実際、私は大学でも教えているんですが、大学で「将来の不安は?」というアンケートをとったりすると、20代の子や大学生の10代の子が「老後」と書く人がけっこういるんです。10代の子が「老後が不安だ」と言うぐらいだから、そりゃあ40、50、60歳になってくると、やはり「どこか体が痛い」「自分の両親が亡くなっちゃった」とか。介護をする中で「自分もそうなってしまう」というように、先を見ていくという面で見れば、お金が大事だなとか、積立したらいいなというのはあると思うんです。でも、それを考える時にいたずらに不安になったりせずに、老後をなくそう、前向きに生きていこう、今できることをやっていこう、働けるうちまで働こう、iDeCoやNISAとかやれることは全部やっていこうと、具体的なアクションを起こしていく。それで、老後を少しでもなくしてアクティブに生きる。健康で楽しく現役を続けることのほうが、老後に向けて心配することよりも、はるかに意味のあることではないかなと私は思っております。 人生をポジティブに考えるためのマインド ナレーター:さらに藤野さんは、現役を退いた後の未来を考える上で、大切なマインドがあると言います。藤野:私は富山県の朝日町というところに古民家があって、拠点もあるんですが、そこに行くと水がタダで、掘れば湧いてくるんですよ。立山の天然水がガブガブ飲めて、お風呂もミネラルウォーターの天然水でお風呂に入れるんですよ。これはすごく幸せじゃないですか? 土地の値段もタダみたいなものなんですよね。なので、老後資???といっても、どう生きたいかによって変わるんですね。ポルシェに乗って海外旅行に年2回行きたいということだったら、2億円とか3億円ぐらい資金が必要になるかもしれないし、地方の中で小さい幸せを探しながら生きていくということだったら、年金の範囲の中で十分暮らせるんですよ。なのでこれを考える時に、「自分が生き生きと暮らすにはどういう生活をしたいのか」ということを、自分自身に問いかけることがすごく大事だなと思いますね。